正しいCSR活動とは?企業のSDGsを考える

社会活動

インドでは一定の基準を満たす企業はCSR活動として直近3ヵ年の平均利益の2%をCSR活動として社会貢献に関する活動へ支出することが法律で義務付けられている。

この中で私たちは現場で活動するNGOとして多くの日系企業の方々からその拠出先に関して相談を受け、提案の機会をいただくこともある。

とりわけ年度末が差し迫り、今年度の用途を検討されている企業も多いかと思い、本記事を寄稿する。

選択肢としては大きく以下の2つに分かれる。

1NGOへ拠出し、当該NGOがプロジェクトを実施する。

2PMモディファンドへ拠出をする。

考えあぐねて上記2の選択肢をとる企業も多く耳にする。政府系への拠出という特性上中には「CSR TAXだ」という声も耳にする。

かつその総額や具体的な用途に関しては表に出ておらず、実際には活用されていないのではないかという疑惑さえも出てきている。

その中で日本人の方の中にもしっかりと「困っている人のために活用したい」という想いを抱く方も出てきており、1の用途へとシフトされることを検討している方も出てきている。

1の用途の中でよく耳にするのが「政府系の学校への支援」だ。

政府の学校のペンキ塗り直し、机の寄付、校舎の修復、トイレの改築、水施設の寄付、スクールバスの寄付などが挙げられる。

このような活動は本来「政府予算が正しく活用されているが不足しているから必要」なのであれば意義があることだと考えられる。

ただ実際にはそうは想えない事実も存在する。場所によっては汚職が激しく、この費用を多く見積もり、懐に入れていたり、CSR担当のインド人社員が見返りをもらっていたりというケースも噂される。

また政府の予算を使わなくても誰かがやってくれるということは政府が甘え、怠惰な政府を助長する活動にも繋がらないだろうか。

ではどのような活動が本当に課題を解決する、社会のための活動なのだろうか。

答えは簡単で、具体的に現場で日々活動しているNGOへの拠出だろう。

私たち結び手をはじめ多くの教育系NGOは月次の先生への支払い、文房具代、場合によっては場所代を集めるためのファンドレイズ活動に四苦八苦しながら、なんとか現場で子供達に最低限の基礎教育の機会を提供すべく活動している。

現場活動の事例”写真”

何か目にみえる建物建設やペンキ塗り替えなどではなくすぐに結果が出るわけではないため、企業のPRには繋がりにくい側面は相対的に存在する。

ただ本来的に校舎の建物をよくすることの前に「教育」が行われ、義務教育が受けられる先生がおり、文房具があることが前提に必要ではないだろうか。

インド国内にはその機械が文字通りゼロである地域は多く存在している。

本質的に課題を解決し、機会を提供し、社会、未来にとって善い活動をされたいと考える企業の方とぜひともにCSR予算を活用しながら活動できればと考える次第である。

一度本件に関わる打合せ・相談からでもせっかくこのインドという土地において善いことをしたいという想いを持つ方とはご一緒できれば幸甚に尽きない。

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